肌荒れ予防に欠かせない、セラミドとは?

保湿成分

化粧品売り場やネットで見かけるセラミドケアという言葉。
肌荒れに良さそうというイメージはあっても、どういった成分でなぜ肌に良いのかご存じでしょうか?
この記事では、セラミドのはたらきや種類について解説していきます。

セラミドとは

セラミドとは、細胞間脂質とよばれる脂質の1種で、ヒトの肌に存在する成分です。
細胞間脂質とは、皮膚の1番外側である表皮の角層細胞同士をつなげる役割をもっており、セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸などが挙げられます。
セラミドは細胞間脂質の重量の約半分を占めており、肌のバリア機能や保湿機能を考える上で重要な成分です。

表皮の角層を簡単に模した図がこちらです。

肌の1番外側、表皮の角層のイメージ図


セラミドが不足するとどうなる?

セラミドは、皮膚のバリア機能を担う成分です。
不足することで細胞同士の接着がもろくなり、外的刺激から身を守れなくなる、あるいは肌内部の水分が外に蒸発してしまいます。
つまり、セラミドが不足すると乾燥や肌荒れ、敏感肌の原因となってしまうのです。

また、加齢に伴い皮膚での含有量が減少するとわかっており、50代では20代の約半分の量になると言われています。

年齢を重ねるほどセラミドケアが大切になるのね

セラミドの種類

セラミドを補うことで、角層のバリア機能がアップし、肌荒れを予防できます。

では、セラミドにはいくつか種類があるのをご存じでしょうか?

ヒトの肌に存在するセラミドは約350種類あると言われており、そのうちの数種類がヒト型セラミドと呼ばれ化粧品に配合されています。
ヒト型セラミドは高価なものが多いため、セラミドに似せた構造をもつ、疑似セラミドも多く流通しています。

以下に化粧品に配合されるセラミドの種類をまとめています。
医薬部外品は、同じ成分でも名前の表記が変わるため注意して下さい。

セラミドの種類特徴医薬部外品の表示名
ヒト型セラミド
(セラミドAGやNGなど)
・一般化粧品では、セラミドの後にアルファベットが付く名前
・ヒトの肌に存在するセラミドと同じ構造。価格が高い
~スフィンゴシン
という共通した名称
疑似セラミド・ヒト型セラミドに似せた構造で、ヒト型と同等の効果をもつ
・化学合成でコストを抑えて大量に生産できる
セチルPGヒドロキシエチルパルタミド
糖セラミド
(コメヌカスフィンゴ糖脂質)
・イネのコメヌカから得られる自然由来成分
・セラミドに糖がくっついた構造で、セラミドと同様の効果が期待できる
コメヌカスフィンゴ糖脂質

ヒト型の方が良さそうと思っていたけど、疑似セラミドも同じくらいの効果が期待できる成分なのね

まとめ

セラミドのポイント
  • ヒトの肌に存在する成分なので、安心して取り入れることができる
  • 細胞間脂質の中心となる成分で、バリア機能に欠かせない成分
  • 乾燥やマスクで肌荒れしやすい、敏感肌の方は特におすすめ
  • ヒト型セラミドは高価な傾向あり、コスパ良く取り入れたい方は疑似セラミドから試してみよう


筆者は、マスクの摩擦や乾燥で肌に赤いぽつぽつができることがあります。
疑似セラミドを含むキュレル(花王)やレシピオ(KOSE マツキヨ専売品)を取り入れてからかなり改善されたので、気になる方は是非取り入れてみて下さいね。


参考文献
對間 秀利>セラミドに着目した敏感肌のスキンケア>日本香粧品学会誌>2021年45巻3号>p201~208
2024年>ユイビ書房>宇山侊男・岡部美代治・久光一誠 編著>化粧品成分ガイド第8版>p114.125.126
2023年>池田書店>久光一誠>化粧品成分辞典>p128