腸活がからだに良いのは何となく知っているけど、どんなメリットがあるのか、どうして腸活が大切なのか、きちんと理由まで知っている方は少ないのではないでしょうか?
腸は非常に奥深い臓器で、からだとこころと密接につながっています。
肌の調子が悪い、風邪をひきやすくすなった、意欲が出ない……もしかしたら、腸が原因かもしれません。
今回は、腸のはたらきや腸活のメリット、始め方について、腸活のキホンとなる内容を解説していきます。
腸活を通して体の中から整えたい、キレイになりたい!と思う方はぜひ参考にして下さいね!
そもそも腸活とは?
腸活をひとことで表すと、「腸内フローラを整えること」です。

腸内フローラってなに?
腸内フローラとは、わたしたちの腸に住みつく腸内細菌の集団です。
わたしたちの腸には、およそ100兆個もの腸内細菌が存在し、腸の粘膜にびっしりと、まるでお花畑(フローラ)のように存在していることから腸内フローラと呼ばれています。
100兆個といわれても想像つきませんが、重さにすると約1.5㎏。菌の1つ1つはわたしたちと同じく、食物繊維というごはんを食べ、遊離脂肪酸という代謝物を出し、人間と同じように生きています。わたしたちはたくさんの腸内細菌と共存しているのです。
腸内細菌には、善玉菌、日和見(ひよりみ)菌、悪玉菌が存在し、およそ2:7:1のバランスで存在すると、腸内環境が整っているといえます。

日和見菌は、善玉菌が優勢だと善玉菌に味方するので、基本は問題を起こさない菌です。
しかし、食生活の乱れなどで悪玉菌が増えてくると、日和見菌は悪玉菌の味方に付き、腸内細菌のバランスは一気に悪くなります。
腸とからだの密接な関係性
腸活が重要視されている理由として「脳腸相関」「免疫」「幸せホルモン」などが挙げられます。
1つ1つみていきましょう。
脳腸相関
「脳腸相関」とは、腸と脳が神経を通してつながっているという意味です。
たとえば、緊張するとお腹が痛くなる、旅行先で便秘になりやすい……といった経験は、脳で感じるストレスが神経を通して腸に伝えられ生じるものです。
逆に、腸内環境が悪くなると、自律神経を介して脳へ情報が伝わり、心身の不調をもたらします。
このように、脳と腸は神経を通じて互いに情報交換しているのです。
免疫
全身の免疫細胞のうち、約6割が腸に存在しているとされています。
たべもの、ウイルス、細菌など口から入ってきた外界の悪いものが全身にまわる前に、最初のストッパーとしての役割を果たしています。
腸内細菌のバランスが崩れ免疫の機能が低下すると、風邪やウイルス、また花粉などアレルギー物質への抵抗力が弱くなり、体調を崩しやすくなります。
幸せホルモン
幸せホルモンと呼ばれ、イライラを抑えたり、消化管の動きを良くしたり、自律神経のバランスを整える作用があるセロトニン。
実は、セロトニンの約9割が腸管で作られているのです。
腸内環境が悪くなり、セロトニンがうまく作られなくなると、イライラ、気分の落ち込みなどメンタルの状態が悪くなります。
このように、腸はからだの一部として、脳や免疫、精神状態と密接に関わっています。
すなわち、こころとからだの健康を保つため腸内フローラを整えることは、非常に重要なのです。
腸活のメリット、効果
腸活の意味や重要性について知ったところで、腸活のメリットについて整理していきましょう。
肌の調子が良くなる
腸内環境が悪くなると、悪玉菌がフェノール類とよばれる有害物質を産生します。
フェノール類は肌の表皮細胞へ悪影響を与え、乾燥やくすみにつながるとされています。
つまり、腸内細菌のバランスを整えることは、悪玉菌の増殖を抑え、肌あれ予防につながるのです。
免疫力アップ
からだの中の免疫細胞の6割は腸管に存在します。
腸内細菌のバランスを整え、腸の免疫機能を正常に保つことで、かぜや病気になるリスクが減ります。
メンタル、心の安定をサポート
うつ病の患者には便秘や下痢の方が多い、というデータもあるほど、腸の健康はメンタル、心の安定につながっています。
セロトニンをしっかり作ってもらうためにも、腸内細菌のバランスを整えるのは大切ですね。
ちなみに、乳酸菌飲料が睡眠や花粉症を軽減するといわれ爆発的に売れたのは、腸内細菌とからだの密接な関係性からひも解けます。
腸活は何から始めるべき?注意点は?
腸活にはさまざまなメリットがあるとわかりました。
では、何から始めれば良いのでしょうか?
まずは食事から
腸内細菌は食事をエサにしています。まずは食事内容を見直すことが腸活において最重要です。
善玉菌と悪玉菌の好物を覚えることからやってみましょう。

悪玉菌は、肉のタンパク質だけでなく、ジャンクフードやインスタント食品に含まれる油も好みます。
まずは、善玉菌を増やすとされる発酵食品や水溶性食物繊維を摂取することから始めてみましょう。
ストレスを溜めない、睡眠をしっかりとる
食事の次に大切なのが生活習慣です。
せっかく良い食事をとっていても、ストレスで緊張状態が続くと、自律神経のバランスが乱れ、腸内環境を悪くしてしまいます。
仕事が忙しい方はなかなか難しいかもしれませんが、週末にマッサージを受ける、趣味に没頭するなど仕事を忘れてリラックスできる時間を確保する、自分をいたわる習慣を意識しましょう!

ときにはお金をつかって自分をいたわる時間をつくるのも大切!
サプリや整腸剤を上手に使おう
腸内細菌のバランスは、生まれた瞬間に触れた大人の菌で決定されるといわれています。遺伝ではありませんが、両親の影響を受けやすいという意味です。
幼少期に決定された腸内細菌のバランスを大幅に変えることは難しいとされており、食事だけでは改善が難しい場合もあります。
特にストレス社会で働く方、子育て中など時間の無い方は、食事内容も見直しつつ、医薬品やサプリに頼るのも良い選択肢の1つです。
腸活の注意点
詳しいお話は割愛しますが、腸活に良いとされている食べ物が必ずしも自分に合うとは限りません。
腸内細菌、腸活は非常に奥深く、日々研究が進められています。
ヨーグルトや納豆などからだに良いといわれているものが、ひとによっては合わない場合もあるのです。
食べるとお腹が張る、ガスが増える場合は、あなたの腸に合っていない可能性大です。
自分で試行錯誤しながら、合う食材など見つけてきましょう。
腸を整えることは、自分を大切にすること
腸は、こころ、からだと密接に関わっています。
腸活は、自分のからだとしっかり向き合い、心のバランスを整えることにもつながります。
自分にとって無理のない範囲で腸活を始めていきましょう!
 
  
  
  
  